介護現場で増えるオムツいじりや外しの悩みと原因

介護の現場では、オムツをいじったり外してしまう行動が増え、対応に悩む方が多いです。まずはその主なきっかけや原因を見ていきましょう。
認知症によるオムツいじりの主なきっかけ
オムツいじりが目立つ方の多くは認知症を抱えています。認知症では自身の身体状態や周囲の状況の理解が難しくなるため、オムツの装着自体が違和感や不安の原因になることがあります。
たとえば、オムツやパッドの存在に気づいて「これは何だろう」と無意識に手を伸ばしてしまう場合もあります。また、一時的に尿意や便意を感じて「外したい」と思うこともきっかけになります。さらに、日常の刺激が少なく、手持ちぶさたからオムツを触ってしまうケースも見られます。
オムツやパッドへの違和感と心理的負担
オムツやパッドは、身体に直接装着するものであり、慣れていない方には大きな違和感をもたらします。肌に当たる感触や湿ったときの不快感が、いじる行動につながりやすいです。
また、自分でトイレに行けていた方の場合、失禁やオムツ使用に対する恥ずかしさや自尊心の低下もストレスとなります。こうした心理的な負担も、無意識のうちにオムツを触る、外すといった行動を引き起こす要因となります。
介護される側と介護者双方のストレス要因
オムツいじりや外しは、介護される側だけでなく介護者にとっても大きな負担です。頻繁な対応や着替え、清掃が必要になり、心身の疲れがたまりやすくなります。
一方で、介護される方も「迷惑をかけているのでは」と感じたり、注意されることでさらに気持ちが不安定になることがあります。このように、お互いにストレスを感じやすい状況が続くと、関係性に悪影響が出ることも少なくありません。
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オムツいじり防止のために知っておきたい対策

オムツいじりや外しを少しでも減らすには、日常生活の工夫と適切な介護用品の選択が大切です。ここでは、効果的な対策を紹介します。
つなぎ型パジャマや防止パンツの選び方
オムツいじりを防ぐためには、つなぎ型のパジャマや専用の防止パンツが役立ちます。つなぎ型パジャマは上下が一体となっており、背中側にファスナーがついているタイプが一般的です。自分で脱ぎにくい作りになっているため、オムツへの直接的な触れ合いを減らせます。
防止パンツは厚手でやや伸縮性のある生地を選ぶと、動きやすさを保ちつつ着用感のストレスも軽減できます。選ぶ際は、着替えやすさ、肌への優しさ、季節に合った素材かなどを比較して選びましょう。
排泄リズムの把握とトイレ誘導の工夫
排泄のタイミングを把握できると、オムツの交換も適切な時期に行いやすくなります。日々の排泄記録をつけ、普段どの時間帯に排泄があるのかを把握しましょう。排泄のリズムに合わせてトイレに誘導することで、オムツが汚れる頻度が減り、いじるきっかけも少なくなります。
また、トイレの場所を分かりやすくする、声かけを工夫する、トイレまでの移動を安全にサポートするなど、本人が安心して排泄できる環境づくりも大切です。焦らず、本人のペースに合わせてトイレ誘導を行いましょう。
おむつやパッドの素材選びと快適性の確保
オムツやパッドを選ぶ際は、吸収力や通気性、肌ざわりを重視しましょう。不快感が少ないものを選ぶことで、オムツいじりの頻度が減ることがあります。肌トラブルを防ぐためにも、吸湿性や肌あたりのやわらかさを確認してみてください。
また、サイズが合わないものやゴワゴワするタイプは避け、フィット感のあるものを選びます。市販されているオムツの種類や特徴は、以下のようにまとめられます。
オムツのタイプ | 特徴 | おすすめポイント |
---|---|---|
テープ型 | 体型に合わせやすい | 寝たきりや介助が必要な方に |
パンツ型 | 自分で脱ぎ着しやすい | 動ける方やトイレ併用の方に |
専用パッド | 薄くて目立ちにくい | 外出時や軽い失禁に |
家庭でできるオムツいじりや外しの具体的な対応策

自宅で介護を続ける中でも、オムツいじりへの対応は重要です。日常で実践しやすい工夫やコミュニケーション方法を整理しました。
こまめなオムツ交換と衛生管理のポイント
オムツはいじる前に交換することが、トラブルの防止につながります。定期的にチェックし、排泄後はできるだけ早く交換するようにしましょう。湿ったまま放置すると、皮膚のトラブルや臭いの原因にもなります。
また、交換時は優しく声をかけて不安を和らげ、肌ケアにも注意して清潔を保ちます。使い捨て手袋やおしりふきを活用して、衛生的な環境づくりも心がけましょう。
「おむつ」という言葉を避けるコミュニケーション
「おむつ」という言葉を使うと、本人が恥ずかしさや抵抗感を抱いてしまうことがあります。代わりに「ズボンを替えましょう」「下着を新しくしましょう」など、やわらかい言い回しにすると良いでしょう。
このような言葉の工夫は、本人の気持ちを傷つけず、安心して介助を受けてもらうために大切です。周囲の家族や介護者間でも、共通の配慮を心がけましょう。
急がせない穏やかな対応の重要性
介護の場面では、つい早く終わらせたいと焦ってしまうことがあります。しかし、急がせると本人も不安になりやすく、落ち着いて介護を受けられません。穏やかに声をかけ、本人のペースに合わせて行動することを意識しましょう。
また、失敗やトラブルが起きても叱ったりせず、「大丈夫ですよ」「一緒にやりましょう」と寄り添う態度が信頼につながります。ゆとりを持った対応を心がけることで、お互いに安心感が生まれやすくなります。
介護と認知症ケアに役立つ終活や老後の備え

介護や認知症ケアを見据えて、早めの終活や老後の準備を考えることも重要です。経済的な面や住まい、家族での話し合いなど、知っておきたいポイントをまとめます。
介護保険や医療費控除の活用方法
介護が必要になった場合、介護保険や医療費控除などの制度を使うことで、費用負担を軽減できます。介護保険では、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなどさまざまなサービスが受けられます。
また、年間の医療費が一定額を超えた場合は、確定申告で医療費控除ができるため、家計の助けになります。制度の利用には申請や手続きが必要なので、区市町村の窓口やケアマネジャーに相談すると良いでしょう。
老後の住まい選びや施設入居の検討ポイント
将来の安心のためには、老後の住まいについても検討が大切です。自宅での生活を続けるか、介護付きの施設に入るかによって、必要な準備や費用が変わってきます。
施設を選ぶ際には、以下のポイントを比較しましょう。
比較項目 | 自宅介護 | 施設入居 |
---|---|---|
費用 | サービス内容次第で変動 | 入居費用や月額費用が必要 |
生活の自由度 | 高い | 限られる場合がある |
サポート体制 | 家族が中心 | 専門スタッフが対応 |
本人の希望や家族の状況も踏まえ、納得できる住まいの選択を心がけましょう。
家族で話し合う終活と将来設計のすすめ
介護や認知症ケアについては、本人だけでなく家族全体で話し合うことが大切です。「どのような介護を受けたいか」「今後の生活はどうしたいか」といった意思を確認し、できるだけ早めに共有しておくと安心です。
話し合いの際には、終活ノートやエンディングノートを活用し、医療や介護、財産管理に関する希望を書き残しておくのもおすすめです。家族での合意形成ができていると、急な変化があったときにも落ち着いて対応しやすくなります。
まとめ:介護のオムツいじり防止と安心できる老後のためにできること
介護現場のオムツいじりや外しの問題には、本人の気持ちや生活環境への細やかな配慮が欠かせません。日常の工夫や適切な商品選び、家族での話し合いを通じて、安心して過ごせる老後を目指しましょう。
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