在宅介護にかかる費用相場とその内訳

在宅介護を考える際、どのくらいのお金がかかるかはとても気になるポイントです。ここでは費用の目安や主な内訳について解説します。
介護度による在宅介護費用の違い
在宅介護にかかる費用は、要介護度によって大きく変わります。要介護度とは、介護がどれだけ必要かを示す指標で、軽い方から要支援1~2、要介護1~5まで段階があります。要介護度が高いほど、必要なサービスや支援の量が増えるため、費用も高くなります。
例えば、要支援1や2であれば、月に数万円程度の出費で済むことが多いですが、要介護5になると10万円を超える場合もあります。具体的な金額は、利用するサービスや回数、地域によっても異なりますが、以下のようにまとめられます。
介護度 | 月額費用の目安 |
---|---|
要支援1・2 | 約1~3万円 |
要介護1・2 | 約2~6万円 |
要介護3~5 | 約5~12万円 |
このように、介護度が上がるにつれて費用も増える傾向があります。
在宅介護と施設介護の費用比較
在宅介護と施設介護には、それぞれ異なる費用がかかります。在宅介護の場合は、必要なサービスを選んで受けられるため、比較的費用を抑えやすい傾向があります。しかし、利用するサービスが増えたり、サポートが必要な時間が長くなるほど費用も増えます。
一方で、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設介護は、月額15万円~30万円程度かかる場合が多く、入居一時金が必要な場合も少なくありません。在宅介護と比べると、やや高額になるケースが多いです。
介護の形態 | 月額費用の目安 |
---|---|
在宅介護 | 1~12万円程度 |
施設介護 | 15~30万円程度 |
家庭の状況や本人の希望に合わせて、総合的に検討することが大切です。
在宅介護の主な費用項目
在宅介護で必要となる費用には、さまざまな項目があります。主なものを挙げてみます。
- 介護サービス利用料(訪問介護・通所サービスなど)
- 福祉用具レンタル費用(車いす、介護ベッドなど)
- 住宅改修費(手すりの取り付けや段差解消など)
- おむつ、消耗品費
- 医療費(訪問診療や服薬管理)
これらは介護保険で一部カバーされるものもありますが、自己負担分も発生します。また、親族が介護を担う場合は直接お金がかからない部分もありますが、介護のために仕事を減らしたり辞めたりすることで別の経済的負担が生じる場合もあります。
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在宅介護で利用できるサービスとその料金

在宅介護を続けるには、さまざまなサービスの活用が鍵となります。ここでは具体的なサービス内容と料金の目安を見ていきます。
訪問介護や通所サービスの利用料
在宅介護でよく利用されるのが、訪問介護と通所(デイサービス)です。訪問介護は自宅にヘルパーが来て、食事や入浴、掃除などの生活サポートを行います。1回あたりの利用料は30分~60分の場合、自己負担額は300円~1,000円程度が一般的です。
通所サービスは、日中施設に通って食事や入浴、レクリエーションなどを行います。1日あたりの自己負担は700円~2,000円程度です。どちらも介護保険が適用されるため、負担が軽減されます。ただし、利用回数やサービス内容によって費用は異なりますので、プランに合った利用が重要です。
福祉用具レンタルや住宅改修費
在宅介護では、介護用ベッドや車いすなどの福祉用具をレンタルするケースが多くなります。介護保険を利用すれば、自己負担は原則1割(一定所得以上は2~3割)で、月に数百円~数千円程度で済みます。
また、自宅の段差をなくしたり手すりを設置するなどの住宅改修も必要になることがあります。こちらも介護保険を利用すれば、20万円までの工事費用のうち9割が保険でカバーされます。利用の際はケアマネジャーと相談し、必要な手続きや見積もりを行うことが大切です。
短期入所や地域密着型サービスの料金
介護する家族の負担を軽減するため、短期間だけ施設に預ける「ショートステイ」も利用できます。ショートステイの自己負担は1泊あたり1,000円~3,000円程度ですが、食事や宿泊、サービス内容により変動します。
また、地域密着型サービスには、小規模多機能型居宅介護や認知症対応型デイサービスなどがあります。料金は利用回数や内容によりますが、月額1万円~3万円程度の自己負担が目安です。これらのサービスをうまく組み合わせることで、家族の負担を減らしつつ、安心して在宅介護を続けやすくなります。
介護費用を抑えるための制度と工夫

介護費用の負担を軽くするには、公的な支援制度や助成金の活用が有効です。ここでは具体的な方法や工夫について説明します。
介護保険や公的支援制度の活用
介護費用を抑える代表的な方法は、介護保険制度の利用です。要介護認定を受けることで、介護サービスの費用の7~9割を公的保険が負担してくれます。さらに、住んでいる自治体によっては独自の助成制度や減免措置を設けている場合もあります。
また、医療費控除や障害者手帳の取得によって、所得税や住民税の軽減が受けられることもあります。こうした公的な支援をしっかり調べて活用することで、長期的な費用負担を大きく減らすことが可能です。
レンタルサービスや助成金の利用方法
福祉用具のレンタルは、購入よりも費用を抑えられる有効な手段です。介護保険に認定されていれば、車いすやベッドなどのレンタル費用を1~3割の自己負担で済ませることができます。
また、自治体によっては、紙おむつや介護用品の購入補助、住宅改修費への助成金が受けられる場合があります。申請方法や対象となる条件は自治体ごとに異なるため、地域の窓口やケアマネジャーに相談し、必要な手続きや書類を確認しておきましょう。
預金や年金以外の費用捻出方法
介護費用は預金や年金だけでまかなうのが難しいこともあります。そんな時には、以下の方法が検討できます。
- 生命保険や医療保険の給付金を活用する
- 不要な不動産や持ち物を売却する
- リバースモーゲージ(自宅を担保に融資を受ける仕組み)を利用する
これらの方法は、それぞれにメリット・デメリットがありますので、家族や専門家と相談しながら検討しましょう。急な出費や将来の不安に備え、資産の活用方法を複数知っておくことが重要です。
老後や終活を見据えた介護費用の備え方

介護が必要になってから慌てないためには、老後や終活を見据えて資金計画を立てることが大切です。ここでは準備のポイントを紹介します。
介護費用の将来予測と家族での話し合い
今後の生活や介護の必要性を見越して、どのくらいの費用がかかるかを予測しておくことは重要です。平均的な介護期間は5年程度と言われていますが、個人差が大きいため、余裕を持った備えが求められます。
家族で話し合いを重ね、誰がどのように介護を担うのか、どのタイミングでサービスや施設を利用するのかを共有しておきましょう。希望や価値観を話し合うことで、いざという時にもスムーズに対応できます。
老人ホームやグループホームの選択肢
在宅介護が難しくなった場合には、老人ホームやグループホームの利用も選択肢となります。主な施設の特徴と費用は下記の通りです。
施設の種類 | 主な特徴 | 月額費用の目安 |
---|---|---|
有料老人ホーム | 生活支援や医療連携 | 15~30万円 |
特養 | 介護度高い方向け | 8~15万円 |
グループホーム | 少人数の共同生活 | 10~20万円 |
それぞれの施設には入居条件や費用、サービス内容の違いがあります。見学や資料請求をした上で、ご本人や家族の希望に合った施設を選ぶことが大切です。
終活で考える資金計画と財産管理
終活とは人生の後半を自分らしく過ごすために、資金計画や財産管理、エンディングノートの作成などを行うことです。介護費用も含めた資金計画を立てておくことで、安心して老後を迎えられます。
財産の整理や相続の準備をしておくと、家族への負担も軽減できます。万が一に備えて、信頼できる家族や専門家に相談しながら、口座や保険の名義、重要な書類の保管場所などをまとめておきましょう。
まとめ:在宅介護の費用と備えを理解して安心の老後を実現する
在宅介護には多様な費用や選択肢があり、事前に情報を整理して備えることで、安心して老後を過ごすことができます。家族や専門家と協力しながら、自分に合ったサービスや制度をうまく活用していきましょう。
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