高齢者に熱が出たらすぐに気をつけたいポイント

高齢者が発熱した場合、体調の変化に気づきにくいことがあります。早めの対応が重症化を防ぐ大切なポイントです。
熱が上がりにくい場合の見分け方
高齢者は体温調節機能が低下しているため、体に異常があっても熱が上がりにくいことがあります。普通の健康な大人よりも、わずかな体温上昇でも注意が必要です。たとえば、普段36.0度くらいの人が37.0度を超えていた場合、それだけでも体内で何らかの変化が起きているサインかもしれません。
また、体温の微妙な変化だけでなく、普段と違う様子やだるさ、なんとなく元気がないなどの兆候にも目を向けましょう。日頃から平熱を把握し、毎日の体調記録をつけておくと、変化に気付きやすくなります。
食欲低下や意識変化に注意する理由
高齢者は発熱にともなって食欲が落ちたり、ぼんやりするなど意識が変化したりしやすいです。食事の量が減ったり、水分をあまりとらなくなった場合、体力の消耗や脱水、さらに重篤な症状につながることがあります。
また、意識がはっきりしない、会話がうまくできないといった変化がみられるときは、脳や体のトラブルのサインの場合があります。こうした症状を見逃さず、早めに対応することが重要です。
早めの受診が重要な症状のサイン
高齢者の発熱時には、早めに医療機関を受診すべきサインがあります。具体的には、次のような場合が当てはまります。
- 呼吸が浅い・苦しそう
- 水分をほとんど取れない
- 意識がもうろうとする
- 突然のけいれんや激しい頭痛
これらの症状は、重い感染症や脳の障害、脱水などの危険な状態が考えられます。早めの相談や受診をためらわないことが大切です。
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高齢者の発熱でよくある原因と対応方法

高齢者の発熱にはさまざまな原因があり、それぞれに合った対策が必要です。主な原因や見極め方を知っておくことで、適切な対応がしやすくなります。
風邪や感染症が疑われる場合の見極め方
高齢者が発熱した場合、まず疑われるのが風邪やインフルエンザ、尿路感染症などの感染症です。しかし、若い人と違い、症状がはっきり出ないことが多いので注意が必要です。
たとえば、咳や鼻水、喉の痛みが弱い場合もありますが、微熱やだるさだけでも感染症の可能性があります。排尿の回数が急に増えたり、排尿時に痛みがある場合は、尿路感染症を疑いましょう。普段との違いをよく観察し、少しでも異変を感じたら医療機関に相談しましょう。
脱水症状や肺炎リスクへの対策
高齢者は脱水症状や肺炎にかかりやすく、発熱時は特に注意が必要です。脱水は、食事量や飲み物が減ること、汗をかくことなどから簡単に起こります。脱水が進むと、体力が落ちたり意識がもうろうとしたりする危険があります。
また、誤嚥(食べ物や飲み物が気管に入ること)による肺炎も高齢者に多いです。咳や痰がでにくく、発熱だけが現れることもあります。水分補給や部屋の加湿に気を配り、食事のときは姿勢や飲み込みに注意しましょう。
持病や薬の影響を考慮した対応
高齢者は持病を抱えていたり、複数の薬を服用していることが多いです。持病によっては発熱自体が悪化のサインである場合もあり、注意が必要です。たとえば、心臓や腎臓の病気がある場合、発熱が症状を悪化させることがあります。
また、使っている薬の種類によっては、発熱時に飲み合わせや副作用に注意が必要なこともあります。「普段と違う症状が出た」「薬を飲み忘れた」といった場合は、早めに医師や薬剤師に相談すると安心です。
発熱時の家庭でできるケアと注意点

家庭で高齢者の発熱に気づいたとき、初期対応がとても重要です。適切なケアや観察が、悪化防止や早期発見につながります。
正しい体温測定と観察ポイント
高齢者の体温は日によって変動しやすいので、正しく測定することが大切です。わきの下、または耳式体温計を使い、少なくとも1日2回は同じ条件で測定しましょう。また、測定の際は服装や暖房の影響を受けないように注意してください。
体温だけでなく、次のような観察も大切です。
- 顔色や表情
- 呼吸や脈の様子
- 食事や水分の摂取量
- 排泄の変化
普段と比べて少しでも異常があれば、メモをとっておくと医師への相談時に役立ちます。
水分補給や食事で気をつけること
発熱時は体内の水分が失われやすく、脱水になりやすいです。特に高齢者は喉の渇きを感じにくいので、こまめに水分補給を促しましょう。お茶や水、経口補水液など、飲みやすいものを用意してください。
また、食欲が落ちているときは、無理に多く食べさせる必要はありませんが、消化のよいおかゆやスープなどを少しずつ与えるとよいでしょう。栄養バランスを意識しつつ、本人の様子を見ながら調整することが大切です。
解熱剤や市販薬を使う際の注意事項
高齢者が発熱した際、市販の解熱剤や風邪薬を使いたくなることがあります。しかし、薬の成分が体に合わない場合や、他の薬との飲み合わせに注意が必要です。
医師から指示されていない場合は、市販薬の使用を急がず、まずは症状をよく見て記録しましょう。どうしてもつらい症状がある場合は、購入前に薬剤師に相談すると安心です。また、決められた用量を守ることも大切です。
認知症や終活 老後を見据えた発熱時の備え

認知症や終末期を迎えた高齢者の場合、発熱時の対応やコミュニケーションに工夫が求められます。家族や介護者が備えておきたい知識についてまとめました。
認知症高齢者の発熱時のコミュニケーション
認知症の高齢者は、自分の体調変化をうまく伝えられないことがあります。そのため、言葉だけでなく、表情や仕草、普段とは違う行動の変化にも注意しましょう。たとえば、急に怒りっぽくなったり、食事を拒否したりする場合、体調不良が隠れていることがあります。
コミュニケーションの際は、落ち着いた声でゆっくりと話しかけ、無理に問い詰めないことも大切です。また、発熱の有無にかかわらず、日常の変化をこまめに記録しておくと、医療機関への相談時に役立ちます。
介護現場で活かせる発熱トラブルの予防策
介護現場では、発熱トラブルを防ぐための日々の工夫が大切です。たとえば、手洗いやうがい、室内の換気を徹底することで感染症を予防できます。十分な水分補給や、体調チェックの習慣も予防に効果的です。
また、利用者の平熱や普段の様子をスタッフ全員で共有しておくことも重要です。発熱があった場合は、すぐに医療機関へ連絡できる体制を整えておくと安心です。
家族や介護者が知っておきたい終末期の対応
終末期の高齢者が発熱した場合、治療方針や本人・家族の希望を尊重した対応が求められます。無理な治療よりも、痛みや不快感を和らげるケアに重点を置くことが多くなります。
家族や介護者は、次のような点を意識するとよいでしょう。
- 本人の意思や過去の希望を確認する
- 痛みや苦しさを観察し、医療スタッフと連携する
- 家族全体で方針を話し合い、サポート体制を整える
事前に医師や看護師と話し合い、どのようなケアが望ましいか確認しておくことが、安心な見守りにつながります。
まとめ:高齢者の発熱対応は早期発見と適切なケアが大切
高齢者が発熱したときは、ちょっとした変化にも敏感に気付き、早めの対応を心掛けることが重症化の予防につながります。家族や介護者は、日ごろから平熱や普段の様子を知っておき、異変があればすぐに行動することが大切です。
また、持病や服薬状況、認知症や終末期の場合は、それぞれに合った対応やコミュニケーションにも注意が必要です。早期発見と適切なケアを心がけることで、安心した老後を過ごす助けになります。
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