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中核症状と周辺症状の違いとは?認知症ケアに役立つ見分け方と対応法

目次

中核症状と周辺症状の違いを理解しよう

中核 症状 周辺 症状 違い

認知症には「中核症状」と「周辺症状」があります。それぞれの違いを知ることで、適切なケアや接し方が見えてきます。

中核症状とは脳の機能低下による症状

中核症状は、認知症による脳の働きの低下が直接の原因となって表れる症状です。代表的なものには、記憶力の低下、時間や場所の認識のずれ、考える力の衰えなどがあります。

これらの症状は、病気そのものによるため、基本的には環境や接し方によって大きく変化することはありません。たとえば、昨日の出来事を何度聞いても思い出せなかったり、自宅にいるのに「ここはどこ?」と尋ねたりするような行動が見られます。

中核症状は、日常生活に様々な影響を与えますが、適切なサポートを行うことで、ご本人の不安や混乱をやわらげることが可能です。

周辺症状は環境や心理が影響する症状

周辺症状とは、中核症状がもとになり、周囲の環境や本人の気持ちによって出現する症状です。たとえば、怒りっぽくなる、夜眠れない、興奮しやすくなるといった行動があげられます。

これらの症状は、家庭の雰囲気や介護者の接し方、体調の変化などによって現れ方が変わります。中核症状に対して感じるストレスや不安が、周辺症状を引き出しやすくします。

周辺症状が強く出ると、ご本人だけでなく家族や介護者にも大きな負担となるため、早めに気づいて対応することが大切です。

中核症状と周辺症状の主な違いと見分け方

中核症状と周辺症状は、出現するタイミングやきっかけに違いがあります。下記に整理しました。

分類主な原因変化しやすさ
中核症状脳の働きの低下あまり変化しない
周辺症状環境要因や心理・身体状態状況で変わりやすい

中核症状は、どのような環境でも見られることが多いのに対し、周辺症状はストレスや環境の変化、体調不良などで強まったり和らいだりします。見分けるポイントは、「本人が同じ状況でも繰り返し同じ行動をするか」「環境を調整すると改善するか」などです。

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認知症における代表的な中核症状の種類

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認知症の中核症状には、いくつかの特徴的な種類があります。それぞれの特徴を知ることで、ご本人や家族の不安を軽減しやすくなります。

記憶障害や見当識障害の特徴

記憶障害は、認知症で最も多く見られる症状です。新しいことを覚えられなくなったり、昨日の出来事を忘れてしまったりします。これにより、同じ話を何度も繰り返したり、物の置き場所を忘れて探し続けたりすることが起こります。

見当識障害は、時間や場所、自分が誰なのかがわからなくなる状態です。たとえば、自宅にいるのに「家に帰りたい」と言ったり、季節に合わない服を選んだりすることがあります。これらの症状は、家族や介護者にとって戸惑いや不安を感じやすいですが、責めたり否定せず、丁寧に見守ることが大切です。

実行機能障害や判断力低下の現れ方

実行機能障害とは、複数の作業を順序立てて行うことが難しくなる症状です。たとえば、料理をする際に手順が混乱したり、洗濯物を干す途中で作業をやめてしまうことがあります。

また、判断力の低下も見られます。買い物でお金の計算ができなくなったり、不必要なものを大量に買ってしまうなどの日常生活のトラブルが起こりやすくなります。こうした現れ方は初期の段階でも見逃されがちですが、家族が気づきやすいポイントです。

できなくなったことを責めたり急かしたりせず、「一緒にやってみよう」と寄り添う姿勢が、ご本人の安心感につながります。

失語失行失認と日常生活への影響

失語は言葉がうまく出てこなくなる症状で、名前を呼ばれても返事ができなかったり、言いたいことを違う言葉で表現したりします。失行は、道具の使い方が分からなくなる状態です。たとえば、歯ブラシや箸の使い方を忘れてしまうことがあります。

失認は、見慣れた物や人を認識できなくなる症状です。家族の顔がわからなくなったり、鏡に映った自分を他人だと思ったりすることもあります。

これらの症状は、ご本人の自信を失わせたり、不安を強める原因にもなります。日常生活では、ゆっくりと声をかけたり、絵やジェスチャーなど言葉以外のサポートを活用すると良いでしょう。

中核症状や周辺症状への適切な対応とケア

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認知症の症状が現れたとき、どのように接してサポートすれば良いのか悩む方は多くいます。ご本人の気持ちに寄り添い、安心できる対応を心がけましょう。

本人を否定せず寄り添う対応のポイント

認知症の方が見当違いなことを言ったり、繰り返し同じことを尋ねても、否定や指摘を繰り返すことは避けたいものです。ご本人は混乱や不安を感じていることが多く、優しく受け止めることが大切です。

たとえば「何度も聞いたでしょ」と注意するより、「そうだったね」と受け入れることで、ご本人の安心感が高まります。大切なのは、出来事よりもご本人の気持ちを優先する姿勢です。

また、できることには一緒に取り組み、小さな成功体験を積み重ねるようにサポートすると、自信や穏やかさが保たれやすくなります。

周辺症状への具体的なケア方法

周辺症状は、ご本人の不安やストレスが強いときに現れやすい傾向があります。そのため、安心できる環境を整えることが大切です。

具体的なケア方法には、以下のようなものがあります。

  • 落ち着いた声かけや、ゆっくりとした対応
  • 部屋の明るさや温度を快適に保つ
  • 本人の好きな音楽や写真を活用する

また、夜間の不眠や徘徊がある場合は、日中の活動を増やす工夫や、疲れすぎを予防することも有効です。無理に抑えつけるのではなく、ご本人のペースに合わせて対応しましょう。

介護者の負担を和らげる工夫とサポート

認知症介護は、心身ともに大きな負担となることが少なくありません。介護者自身の健康や気持ちを守るためにも、以下のような工夫やサポートの利用が役立ちます。

  • デイサービスやショートステイの活用
  • 家族や友人と情報を共有する
  • 介護相談やカウンセリングを受ける

一人で抱え込まず、地域の社会資源や専門家の力を借りることで、介護の負担を軽減できます。自分自身の時間を大切にし、リフレッシュの機会を持つことも重要です。

認知症の進行や症状悪化を防ぐ生活習慣と備え

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認知症の進行や症状の悪化を遅らせるためには、日々の生活や備えが大切です。できる範囲で取り組める方法を知っておきましょう。

症状改善や進行予防に効果的な生活習慣

認知症の予防や進行を緩やかにするためには、生活習慣が大きく関わっています。特に、以下のような習慣が推奨されています。

  • バランスの取れた食事(野菜・魚・果物を意識)
  • 適度な運動(散歩やラジオ体操など)
  • 趣味や人との交流を楽しむ
  • 良質な睡眠を心がける
  • 定期的な健康チェック

これらの習慣は、脳への刺激や健康維持に役立ちます。急にすべてを始めるのは大変なので、できることから少しずつ取り入れるのがおすすめです。

介護保険や認知症保険の活用方法

介護や認知症の進行に備えて、公的な保険制度や民間の認知症保険を利用することも選択肢の一つです。介護保険は、要介護認定を受けると、訪問介護やデイサービスなどの支援が受けられます。

一方、認知症保険は、認知症と診断されたときの経済的備えになります。加入には年齢や健康状態の条件があるため、早めの検討が大切です。保険を選ぶ際は、保障内容や受け取れる金額、サービス内容を比較して、自分や家族に合ったものを選びましょう。

専門機関への相談や施設利用の選択肢

認知症が進行した場合や、在宅介護が難しくなった場合には、専門の医療機関や施設の利用も検討できます。主な相談先や利用できる施設を、表でまとめました。

相談・利用先内容例利用の目安
かかりつけ医診断・健康相談症状の変化や体調不良時
地域包括支援センター介護や福祉相談介護やサービス情報を知りたいとき
介護施設(特養・グループホーム等)生活サポート・見守り在宅生活が難しいとき

早めに相談することで、適切なサービスや支援につなげやすくなります。不安を感じたら、一人で抱え込まずに専門家に相談しましょう。

まとめ:認知症の症状理解と適切な対応で安心の老後を実現

認知症は、ご本人や家族にとって不安や戸惑いが大きい病気ですが、症状の種類や現れ方を知ることで、寄り添った対応が可能になります。中核症状と周辺症状を理解し、適切なケアや生活習慣の工夫を取り入れることで、できるだけ穏やかな毎日を送ることが目指せます。

また、介護者自身の負担を軽くする工夫や、社会資源の活用も大切です。困ったときは一人で抱え込まず、身近な相談先やサービスを活用しながら、安心して老後を過ごせるよう備えていきましょう。

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この記事を書いた人

介護や老後の生活設計は、制度を知ることが第一歩。介護保険、サービスの種類、医療との連携、家族の役割など、知っておくと役立つ情報を整理してお届けします。介護にまつわる小さなヒントや、心を軽くする考え方をご紹介。読むと少しほっとできる、そんな場所を目指しています。

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